ハンズオンセミナー

■■  1. 「顎関節腔穿刺法の実際とその応用」
     コーディネイター
       村 上  賢 一 郎 氏
        赤穂市民病院 歯科口腔外科

       川 上  哲 司 氏
        奈良県立医科大学 口腔外科学教室


■ [臨床マニュアル]顎関節腔穿刺法の実際とその応

■ 発 行/顎関節セミナー実行委員会
■ B5判・70ページ 
  頒価2,000円(送料含) 
  1999年11月発行

■ 内容紹介
 安全で確実な顎関節腔穿刺法の確立と普及を目的に行われたセミナーで使用されたテキストであり,顎関節腔穿刺法に関する基本的事項を習得できるように構成したもの.
■ 内容目次
・序  文------岡 達
・顎関節腔内穿刺法------大西正俊
・上関節腔穿刺に必要な解剖学的知識------杉崎正志
・顎関節腔穿刺(後外側穿刺)の方法とこつ------覚道健治
・ディスポーザブル滅菌ゴム手袋の装着手順------柴田 肇
・Arthrocentesis(上関節腔洗浄療法)と顔面神経,血管損傷について------瀬上夏樹ほか
・関節腔内注入療法に用いられる薬剤------柴田考典
・顎関節腔パンピングマニピュレーション法による非復位性関節円板前方転位症例の治療------矢谷博文
・顎関節腔穿刺法の実際とその応用------田口 望
・顎関節腔造影法の要点------小林 馨
・顎関節における関節液の採取手技------柴田考典
・上外側穿刺法による顎関節腔上関節腔の穿刺と関節鏡視法------井上農夫男・戸塚靖則
・関節鏡視および関節鏡視下手術における上関節腔穿刺------近藤寿郎
・関節鏡穿刺のためのStep Cannulation Technique------下田恒久

■ 
 顎関節腔穿刺は、さまざまな診断と治療の場面に使われる。化膿性関節炎における貯留膿や痛風,偽痛風における関節液貯留の吸引は診断と治療に必須であり、一方、いわゆるクローズドロック症例におけるパンピング、アルトロセンテーシス(上関節腔洗浄療法)の有用性については論を待たない。また関節鏡診断、関節鏡視下手術の基本手技としてまず関節穿刺、パンピング、アウトフロー針の留置が確実で安全になされないと次のステップである関節鏡穿刺、さらに様々な内視鏡手術操作のための第2穿刺に進めない。本セミナーでは顎関節穿刺の基本手技について説明し、ビデオを使用しつつその実際をお示ししたい。
 外科解剖(村上):穿刺(方向、角度、深度)に必要な血管、神経分布と上関節腔の解剖学的位置関係、穿刺点の設定とそのメルクマールについて簡単に述べる。キーワードは下顎頭より下顎窩の触診を大事に、開口より前突/側方運動をさせる方が有用、同時に浅側頭動脈の拍動を触知する。一刺入魂、後方は耳管、上方は中頭蓋底、内側には立ち入り禁止!
 準備とセットアップ、術中モニター(川上):パンピング、アルトロセンテーシス、極小径診断関節鏡は外来手術室で行っている。消毒と器具、ドレーピング法を示し、デンタルチェアー使用時の体位、器具、モニターのセットアップを紹介する。関節鏡視下手術は中央手術室で行っており、そのセットアップ状況を供覧する。
 穿刺の実際―私はこうしている:パンピングの実際、さらにアウトフロー針を前方に刺入しアルトロセンテーシスに移行させる手技を動画にて紹介する(川上、村上)、また、同時に行っている極小径関節鏡下での鏡視像も供覧する(川上)
 合併症(村上):一過性の脳貧血、局所麻酔薬の漏洩による閉眼障害があり得るが、回復する。なおアウトフロー針の挿入に際しては外耳道損傷をさけるべく必ず関節結節の前方から穿刺し、安易に後方へ先端を向けない。文献上、アルトロセンテーシス後の硬膜外血腫が報告されている。
 術後管理(川上、村上):厳重な消毒、ドレーピングを行なえば抗菌薬の投与は不要だが、術前内服または術後2日程度の経口投与も可。NSAIDsは、屯用で使用するが、術前から強い疼痛を認める場合には連用する。術直後から自発的な開口訓練を開始し、スプリント療法も併用する。
 治療効果の判定と時期(川上):術前後の開口量、疼痛のVAS評価、痛みスコア評価は必須で、奏功例ではただちに開口度の増加、痛みの消失または軽減がみられる。約2か月経過後も変化がない場合は無効としadvance療法を行う。経験症例での一般的な経過を紹介する。
 適応症(川上、村上):パンピング、アルトロセンテーシスでは顎関節症V型、W型、関節鏡視下手術は顎関節症Vb型、W型、試験穿刺として膿瘍、化膿性顎関節炎、関節液貯留を伴う通風、偽通風などの診断に有用

参考文献(2000年以降)
1) Guarda-Nardini L, Ferronato G, Manfredini D: Two-needle vs. single-needle technique for TMJ arthrocentesis plus hyaluronic acid injections: a conparative trial over a six-month follow up. Int J Oral Maxillofac Surg 2012;41:500-13.
2) Currie R. Arthroscopy for treating temporomandibular joint disorders. Evid Based Dent 2011; 12:90-1.
3) Machon V, Hirjak D, Lukas J. Therapy of the osteoarthritis of the temporomandibular joint. J Craniomaxillofac Surg. 2011; 39:127-30.
4) Laskin DM. Arthrocentesis for the treatment of internal derangements of the temporomandibular joint. Alpha Omegan 2009; 102:46-50.
5) Dira?o?lu D, Saral IB, Keklik B, Kurt H, Emekli U, Oz?akar L, Karan A, Aksoy C. Arthrocentesis versus nonsurgical methods in the treatment of temporomandibular disc displacement without reduction. Oral Surg Oral Med Oral Pathol Oral Radiol Endod 2009 ; 108:3-8.
6) Nitzan DW. Arthrocentesis--incentives for using this minimally invasive approach for temporomandibular disorders. Oral Maxillofac Surg Clin North Am 2006 ;18:311-28.
7) Al-Belasy FA, Dolwick MF. Arthrocentesis for the treatment of temporomandibular joint closed lock: a review article. Int J Oral Maxillofac Surg 2007 ; 36:773-82.
8) Alpaslan C, Dolwick MF, Heft MW. Five-year retrospective evaluation of temporomandibular joint arthrocentesis. Int J Oral Maxillofac Surg 2003 ; 32:263-7.
9) Carvajal WA, Laskin DM. Long-term evaluation of arthrocentesis for the treatment of internal derangements of the temporomandibular joint. J Oral Maxillofac Surg 2000 ; 58:852-5.
10) Carroll TA, Smith K, Jakubowski J. Extradural haematoma following temporomandibular joint arthrocentesis and lavage. Br J Neurosurg 2000 ; 14:152-4.

川上哲司 略歴
1984年3月 神奈川歯科大学歯学部卒業
1984年4月 奈良県立医科大学附属病院臨床研修医
1986年4月 奈良県立医科大学附属病院医員
1993年5月 奈良県立医科大学助手(口腔外科学講座)
1996年1月 アメリカ合州国カリフォルニア大学ロサンゼルス校
(文部科学省在外研究員)
1998年4月 奈良県立医科大学講師(口腔外科学講座)

専門医
日本口腔外科学会指導医・専門医
日本顎関節学会指導医・専門医
日本小児口腔外科学会指導医・認定医
日本歯科麻酔学会認定医

村上賢一郎 略歴
1978年 3月 神奈川歯科大学卒業
1984年 3月 京都大学大学院医学研究科修了、医学博士
1986年 5月 UCLA Visiting Assistant Professor
1986年12月 京都大学医学部口腔外科学講師
1992年12月 京都大学口腔外科学助教授
1998年11月 Wien Universitaet Gast Proferssor
2006年 7月 赤穂市民病院診療部長、神奈川歯科大学客員教授
2010年 8月 赤穂市民病院嘱託、草津総合病院非常勤医

専門医
日本口腔外科学会国際学術委員、口腔外科専門医/指導医
日本顎関節学会理事、
Journal of Oral and Maxillofacial Surgery編集委員


■■  2. 「スプリントの作り方、使い方」
     コーディネイター
       鱒 見  進 一 氏
        九州歯科大学 口腔機能再建学講座 顎口腔欠損再構築学分野

       皆 木  省 吾 氏
        岡山大学大学院 医歯薬学総合研究科 咬合・有床義歯補綴学分野


■ 写真でマスターする顎関節症治療のためのスプリントのつくり方・つかい方

■ 編 著/鱒見進一(九州歯科大学)・皆木省吾(岡山大学大学院)
■ A4判・96頁・オールカラー(写真多数)・
■ 定価6,825円(税込)
  ISBN978-4-86432-000-9
  2011年1月発刊
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■ 内容紹介
■ オクルーザルスプリントの正しいつくり方からつかい方までを1冊に網羅!
■ すべてのステップを写真で解説.目でみて理解できます!
■ わかりやすい説明で,初心者でも納得の解説!
■ 世界で初めてまとめられた"スプリントだけ"の本!

 スプリントは,大きな侵襲を伴わずに多くの治療効果が望める"すぐれた治療用装置"として,顎関節症の初期治療で活用されています.中でも,スタビライゼーションスプリントは,咀嚼筋の過緊張の緩和などにすぐれた治療効果を発揮し,現在,最も幅広く応用されているスプリントです.しかしこれまで,スタビライゼーションスプリントのスタンダードな作製法や調整法について,体系的にまとめられたものは,ほとんどありませんでした.
 本書は,スタビライゼーションスプリントについて,その作製法,使用法,調整法から技工の要点といった基本事項を網羅し,臨床での手順に従って解説したものです.経験豊富な執筆陣が,すべてのステップを写真で示しながら,一歩一歩かみくだいて述べていますので,初心者にも理解しやすい構成となっております.
 スプリントに対する見方が180°変わる画期的な本です.ぜひご一読を!

■ 内容目次
序章 顎関節症に対する初期治療としてのスタビライゼーションスプリント/皆木省吾・兒玉直紀

上顎型か? 下顎型か?
スプリントの外形
スプリントの使用期間
介入手法ガイドラインの紹介
介入手法ガイドライン
アンテリアガイダンスの種類と考え方
下顎位をどう決めるか
クラスプは必要?

第 I 章 予備診査と印象採得/窪木拓男・前川賢治

筋症状の触診と結果の記録
関連痛とは?
その他の関連愁訴の記録
必要な画像記録
開口量の計測と記録
クリックの種類と記録方法
印象材の種類とトレーの選択
〈コラム〉VAS(Visual Analogue Scale)って何?

第 II 章 下顎位,咬合採得と咬合器装着/藤澤政紀

咬合採得時の姿勢
咬合採得法(簡便法)
咬合採得法(精密法)
咬合器の種類
フェイスボウの種類と使用法
咬合器装着

第 III 章 材料,技工指示と作製(上顎型)/鱒見進一・槙原絵理

材料別にみたスプリント作製法
一般的な上顎スプリント作製法

第 IV 章 技工指示と作製(下顎型)/高津匡樹

下顎型スプリント――技工指示の要点とその意図

第 V 章 スプリントの調整(歯列への適合)/佐久間重光・高津匡樹・坪井明人

歯列への適合法(上顎型スプリント)
歯列への適合法(下顎型スプリント)
適切な維持力の検査と調整法(上顎型クラスプ付与型スプリント)
スプリント内面が歯列に適合しない場合の対応
スプリントとその対合歯列との咬合関係に修正が必要な場合の対応

第 VI 章 スプリントの調整(上顎型)/鱒見進一・槙原絵理

スプリントの調整
歯列の特殊条件への対応
 ・スピーの彎曲が強い場合
 ・犬歯の低位唇側転位の場合
 ・前歯部反対咬合の場合
 ・臼歯部鋏状咬合の場合
 ・咬合痛を伴う場合

第 VII 章 スプリントの調整(下顎型)/坪井明人・高津匡樹

スプリントの咬合調整時の患者姿勢
咬合紙を用いた咬合接触部位の検出
シリコーンチェックバイトを用いた咬合接触部位の検出
下顎型スプリントに付与する咬合接触
下顎型スプリントに付与するアンテリアガイダンスの要点
調整時のバーの選択
どこをどのように削合するのか
さまざまな条件を持つ歯列への対応
〈コラム〉正しいタッピングをさせるには?

第 VIII 章 経過観察と指導/船登雅彦・佐久間重光・成田紀之

装着時のカルテ記載
リコール時の調整
スプリントの咬耗について
スプリントの清掃・管理
専門機関への紹介の要点
診療情報提供書(1)
診療情報提供書(2)
診療情報提供書(3)

第 IX 章 スプリント作製時の技工要点/松香芳三・太田圭二

咬合器の選択とフェイスボウの選択
スプリント外形の要点
加熱重合レジンによる作製の要点
光重合レジンによる作製の要点
流し込みレジンによる作製の要点
欠損歯列への対応
 ・上顎両側遊離端欠損症例の場合
 ・下顎片側遊離端欠損症例の場合

■ 
 現代は,標準化された治療を適時に行うことが強く要求される時代です.したがって日常臨床において,顎関節症患者が来院した際に,どのような診察を行って適切な診断を下すかについては,豊富な知識と十分なスキルが必要です.
 顎関節症の初期治療にスプリントが用いられること,中でもスタビライゼーションスプリントが広く応用されている現状は,一般によく知られていることと思います.しかしながら,スプリントの作製法や調整法の実際に関しては,専門のトレーニングを受けた先生以外には,あまり知られていないのではないでしょうか.
 今回のハンズオンセミナーで使用する本は,顎関節症初学者の先生が,スタビライゼーションスプリントを正しく作製し,活用できるための解説書として企画されたものです.スタビライゼーションスプリントのスタンダードな作製法や調整法について,体系的にまとめられたものは,ほとんどありませんでしたが,本書は,スタビライゼーションスプリントについて,その作製法,使用法,調整法から技工の要点といった基本事項を網羅し,臨床での手順に従って解説したものです.スタビライゼーションスプリントには長い歴史があり,外形や調整法などで様々なバリエーションが生み出されてきました.いずれも,その根底にある概念は近接しているのですが,各施設において微妙に異なる部分があるのも事実です.これらのバリエーションの「差」と「共通点」について,本書を通して理解を深めていただければと考えています.
 日常臨床では,スプリントの装着や調整に長いチェアタイムが必要となることが少なくありません.そのためには,正確な印象採得と咬合採得が必要であることは勿論ですが,スプリント咬合面の適切な調整も重要です.
 今回は,スタビライゼーションスプリントに関する様々な疑問点にお答えすべく,作製法や調整法についてポイントを押さえながら解説したいと考えています.
 本セミナーが,明日からの先生方の日常臨床に役立つことを祈念いたします.

鱒見進一 略歴
1981年 九州歯科大学 卒業
1985年 九州歯科大学大学院歯学研究科修了(歯学博士)
     九州歯科大学助手
1992年 文部省在外研究員:UCLA Dental Research Institute
1993年  九州歯科大学講師
2001年 九州歯科大学助教授
2003年 九州歯科大学教授
2008年 九州歯科大学附属病院長
2010年 九州歯科大学大学院研究科長
2012年 公立大学法人九州歯科大学理事

皆木省吾 略歴
1982年 広島大学歯学部 卒業
1982年 広島大学大学院歯学研究科(歯科補綴学第一)修了(歯学博士)
1987年 国家公務員等共済組合連合会 呉共済病院歯科医長
1988年 広島大学歯学部 歯科補綴学第一講座 助手
1989年 岡山大学歯学部 歯科補綴学第二講座 助手 
1990年 岡山大学歯学部附属病院講師
1995年 米ミシガン大学客員講師
1996年 岡山大学歯学部助教授
2002年 岡山大学大学院医歯学総合研究科(現 医歯薬学)教授




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