大会長のご挨拶

■■ 第25回一般社団法人日本顎関節学会総会・学術大会を開催するにあたって

第25回一般社団法人日本顎関節学会総会・学術大会
    大会長  柴 田  考 典
    北海道医療大学歯学部
    生体機能・病態学系組織再建口腔外科学分野
 ご挨拶に先立ち、まず、この度の東日本大震災で犠牲になられた皆様に深く哀悼の意を表すとともに、この大震災および福島第一原子力発電所事故で被災された皆さまに心からお見舞いを申し上げます。震災および事故の発生から5か月半が過ぎようとしておりますが、復旧および復興は遅遅とした歩みで、ともに決して満足できない状態と思われますが、皆さま方におかれましては、くれぐれもご自身の健康に留意されますようお願い申し上げます。

 この度、第25回一般社団法人日本顎関節学会総会・学術大会を北海道医療大学歯学部生体機能・病態学系組織再建口腔外科学分野が担当し、2012年7月14〜15日の2日間、シャトレーゼ ガトーキングダム サッポロで開催するにあたり、ご挨拶を申し上げます。

 本学会は、国民の皆様に比較的高頻度に発症する顎関節症とそれに随伴する各種疾病等に関する基礎的ならびに臨床的研究、教育及び診療についての会員の能力向上を図るととともに、地域社会における口腔の健康増進と向上に貢献し、もって国民の健康と福祉の増進に寄与することを目的とした法人格を有する学際的な学会です。さらに、2013年度には国民、顎関節症患者、地域の歯科医師および医師等の社会的要請に応えるために、顎関節症専門医制度の施行を予定しております。

 そこで、本総会・学術大会のメインテーマを顎関節症診療に関して「鑑別診断を極める」とさせていただきました。
 主題口演として矢谷博文氏に「顎関節症の症型分類を再考する」と題してご講演いただきます。
 教育講演として、坂東永一氏に「顎運動研究の現状と将来展望」、佐野 司氏に「パノラマX線写真で顎関節がどこまで分かるか」、築山能大氏に「顎関節症の症状を呈する他の疼痛性疾患との鑑別」、近藤壽郎氏に「in vitro滑膜炎モデルから顎関節を考える」、志賀 博氏に「顎関節症患者の機能評価のガイドライン」、井上農夫男氏に「顎関節症の診断基準と診療ガイドライン」について総覧していただきます。
 ハンズオンセミナーとして、村上賢一郎氏、川上哲司氏に「顎関節腔穿刺法の実際とその応用」を、さらに鱒見進一氏、皆木省吾氏に「スプリントの作り方、使い方」について成書をテキストとして解説いただく予定です。
 学会奨励賞受賞講演としては、木野孔司氏に「顎関節症の診療ガイドライン作成における"Patient Question"収集のための患者ボランティアに対する個別面説調査」について報告していただきます。
 また、本総会・学術大会は一般社団法人日本顎関節学会認定医制度暫定内規に定めます認定医認定の最終年に当たります。最後の認定医申請者ポスタープレゼンテーションになりますので、認定医取得を目指される会員の皆様は奮って応募していただければ幸いです。 

 7月の北海道は梅雨がなく、初夏の草花が咲き乱れ緑あふれる最も美しい時候です。特に、ラベンダー・ポピー、ルピナスを代表とする北海道の夏の美しい花畑、小麦畑のコントラストは一見の価値のある景観といえます。そこで、札幌周遊コース、富良野・美瑛周遊コースおよび旭山動物園周遊コースをExcursion programとして企画させていただきますので、奮ってご利用ください。

 本学会が実り多く、有益な学会となりますように担当校としてできる限りの努力をさせていただくことはいうまでもありませんが、会員の皆様のご参加とご協力をお願い申し上げて挨拶とさせていただきます。

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